インサート成形から熱圧入へ|コスト削減と量産化を両立する工法転換

画像出典:株式会社アイ・テック/極小ピン

【CASE STUDY:三光ライト工業株式会社】

https://www.slkco.jp/

携帯電話や通信機器の外装部品において、業界トップクラスの品質基準を持つ三光ライト工業株式会社。市場のトレンドが多品種少量生産へとシフトする中、同社は新たな技術課題に直面していた。

極小部品の実装における工法の限界と、熟練協力会社の廃業によるリソース不足。

これらを同時に解決し、量産化を成功に導いたのは、株式会社アイ・テックによる「ピン設計」と「熱圧入装置」を組み合わせたトータルソリューションだった。

三光ライト工業、営業部・大塚氏に、その導入経緯と効果を伺った。

■ 企業プロフィール

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三光ライト工業株式会社

通信機器、自動車関連部品などのプラスチック成形・加工を手がける。特にエンドユーザーの目に触れる「外装部品」の製造において、極めて高い外観品質管理と技術力を有する。

【導入前の課題】
【導入後の成果】

1. The Challenge

機械の提供だけでは足りない。求めていたのは「技術の相談相手」

三光ライト工業のもとに舞い込んだのは、「樹脂パーツへの金属ピン埋め込み」という一つの難題だった。

当初の要望は「インサート成形」。しかし、対象となるピンはあまりに微細なものだった。限られた成形サイクルの中で、作業者が金型へ手作業でセットし続けることは、生産効率と精度の面でリスクが高すぎる。

さらにタイミング悪く、これまで同社の治具製作を支えていた熟練の個人業者が高齢のため廃業。社内技術部門での内製も検討されたが、キャパシティの限界があり、新たなパートナー探しが急務となっていた。

「単に機械を作るだけの会社ではなく、我々の厳しい品質基準を理解し、技術的な相談ができる相手が必要でした」

「特に今回のピンは非常に小さく、手作業でのインサートは現実的ではありませんでした。社内のリソースも埋まっている中、誰に頼めばいいのか……正直、頭を抱えていました」(大塚氏)

2. The Solution

「ピンの形から変えましょう」。工法そのものを覆す提案

この局面でパートナーとして選ばれたのが、株式会社アイ・テックである。

決め手は、担当者との信頼関係。そして何より、アイ・テックが持つ「提案の幅」と確かな「裏付け」だった。

アイ・テックが提示した答えは、成形後の「熱圧入」への工法転換。

だが、それは単なるプロセスの変更ではない。「熱圧入に最適な形状に、ピンそのものを設計し直す」という、根本からの解決策だった。

「通常、ピンはピン屋、装置は装置屋と発注先が分かれます。しかしアイ・テックさんは、『ピンの形状検討から装置設計まで一貫して引き受けます』と言ってくれました」

「『いくつもパターンを作ってみましょう』と試作を重ねてくれたのが心強かったですね。おかげで、これならいける、と自信を持って工法転換を決断できました」(大塚氏)

さらに同社の強みは、社内に充実した「試験設備」を完備している点にある。今回も、「インサート成形と同等の強度」を確保できることを、数値データという客観的な裏付けと共に提示した。

「お客様からも『他社に頼むよりコストを抑えられた』と喜ばれています。ピンと装置を別々に発注すると、どうしても高くなってしまう。そこをコミコミでやってくれるアイ・テックさんの存在は、正直かなり助かっています」(大塚氏)

ピンと装置の専門知識に加え、それを証明する「検証力」。これらがあったからこそ、クライアントも安心して新工法への切り替えを決断できたのである。

画像出典元:株式会社アイ・テック/ 引き抜き強度試験機

3. The Result

量産化の成功と、現場に根付いた安心感

このトータルソリューションにより、プロジェクトは無事に量産フェーズへと移行した。導入の効果は、量産化の実現だけにとどまらない。

【具体的な導入効果】

「ピンと装置のフィッティングでトラブルが起きない。これは現場にとって非常に大きなメリットです。また費用対効果の面でも、クライアントから高い評価を頂いてます」

「何より助かるのはレスポンスの速さですね。現場で何かが起きた時、すぐに来て直してくれる。この安心感があるから、我々も生産に集中できるんです」(大塚氏)

※出典:三光ライト工業 圧入装置

4. Future Outlook

多品種少量生産時代を生き抜くパートナーとして

携帯電話市場から、自動車や新たな産業機器へ。三光ライト工業は今、事業ポートフォリオの転換期にある。

これからの製造現場に求められるのは、大量生産への特化ではなく、多品種少量生産に柔軟に対応できる体制だ。

「これからは、段取り替えのしやすさや、汎用性の高さがより重要になります。アイ・テックさんには、単なる装置メーカーとしてではなく、工法開発から相談できる技術パートナーとして、今後も我々のものづくりを支えてほしいと願っています」

「携帯電話特化からの脱却が進む中、小ロットの案件は増えていきます。そうした変化の中で、いかに効率よく生産するか。これからも一緒に知恵を絞ってほしいですね」(大塚氏)

「ピン設計」と「装置開発」。二つの視点を持つアイ・テックの技術力は、変化する市場環境の中で、三光ライト工業の新たな挑戦を力強く後押ししている。

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